とてもワイルドな溶接痕に感動


WM(ウェリントン)のトライアンフタイプマフラーです(Google画像検索
ステンレス製です。
赤い矢印で指し示した部分、ステーの角が裂けちゃってるので溶接してほしいという依頼です。
んで、依頼はステーの裂け対策だけなんですが、自分的には青い矢印で指し示した部分が今回のメインです。
次点が緑の矢印で指し示した辺り、三番目が赤い矢印で指し示したステーの裂けです。
依頼箇所の優先順位は自分的には最下位。依頼されなかった部分が気になって気になって仕方ないというアレです。

とりあえず依頼箇所をチャチャっと片付けます。
はい、裂けてますね。



製造から10年経った(2001年の刻印がある)サイレンサーですから、裂けがこの程度で済んでいることは、逆に製品の丈夫さの証明であると思います。
稼動年数がどれぐらいかは分かりませんが、振動の多いSRに長年取り付けてたんですからね、やわな製品だったらもう原型をとどめてないでしょう。

溶接しました。

磨きました。



で依頼箇所の作業は終了。

ここからが本番。
サイレンサーの入り口あたりのこの惨状を見よ。

あまりに酷いんでアップでご紹介。

凄まじく酷いんでさらにアップでご紹介。



どんだけ下手なんだよ・・・・・

反対側もこの通り・・・・・



実はこの部分、パイプの中に排気ルートを絞るためのドーナツ状の金具が仕込んであるんですね。
で、無改造品と比較すると、このマフラーの絞り金具の中心の穴はあからさまに大径なのです。
元々そんな静かなマフラーじゃないんですが、さらなる爆音化のため、マフラーを一旦切断し→絞り金具の穴を拡張、したんでしょう。
で切ったパイプをホームセンターの初売りで買った1万円以下のアーク溶接機でバチバチっとくっつけた。痕跡がこの惨状なのではないか?と推測します。
このパイプはそんなに薄くなくって、たぶん板厚は1.5mmぐらいあると思うんですが、初心者が安くてロクなもんじゃない溶接機を使い、なおかつ電流上げすぎ状態で作業したのでパイプが溶けて大穴が開いた。のを盛に盛って強引に塞いだのが、極端に汚い山盛り部分なんだと思います。

サイレンサーの前端、エキパイとの接続部分が黒ずんでいるのも気になる。
ただ薄茶色に焼けているんだったら「味があるね」ってなもんですが、この黒ずみは汚いだけです。

ということで、依頼はされていませんが、気になる部分を徹底的に処理*1しました。

ビードを取去るまではやってませんが、まぁ十分「綺麗」な部類に入ると思います。



動力性能の向上を目指すというより、サウンドとルックスが目的のマフラー*2なんですから、その性能の優劣は「綺麗であるか否か」で決まる*3んじゃないでしょうか。
こういうのは「綺麗で当然」なんですよ。

*1:粗く削って整形→溶接し直しで整形→5段階にわけ削って整形→バフがけ2段階で磨いて→コンパウンドで磨いて→徹底に脱脂で完成。

*2:ネガティブなニュアンスに受け取らないように。

*3:30%ぐらい。70%はサウンドだろう。