VM22のパイロットエアースクリューをダイヤル化

 中華エンジン付属のVM22は大陸製にしては良いキャブレター(比較対照はKAIHENキャブ)だと思うんですが、横型エンジンに取り付けることは考えていない作りなので、パイロットエアスクリューが底面についておりまして、エンジンかけながらの調整がかなり本格的に絶望的です。
赤い矢印で指し示したところにパイロットエアスクリューが入ってるんですが、キャブをエンジンに取り付けた状態では直下にシリンダーがあるので、調整したくてもドライバーを突っ込むことができません。
 真下から眺めるの図。これが横型エンジンじゃなければ全然問題なく調整できるんですが、唯一の例外横型エンジンに取り付けているもんですから、まぁ使えないんですね。
 キャブレターの取り付け角度を変えるアダプター(こういうの)をかまして完全横出しにすれば調整できるんですが、セッティングのたびにマニホールドごと取り付け取り外しは面倒なので、中華ミニモトはパイロットエアスクリューの調整などせず、テキトーに「1回転と半分戻し」(ぐらいがセオリーらしい)にしていました。
がしかし、やはりそれはいかんということで、今回、パイロットエアスクリューのダイヤル化を決行した次第です。
というか実は、アイドルスクリューは「+ネジ」なのでセンターに穴をあけるのが容易(交点にドリルを立てればOK)なんですが、パイロットエアスクリューは「−ネジ」なのでドリルのセンタリングが難しく(フライスでも持ってりゃ楽にできるだろうが、あいにくウチにはボール盤とチャチいバイスしかない)テキトーにやれば失敗するのは目に見えていたので最近まで放置してきたのです。
 が、なんとなく「−ネジ」のセンターに穴をあける治具を思いついたので製作にかかった次第。やってみれば簡単、治具作り含めて2時間ぐらいで出来上がりました(2台分)
作り方はとても簡単。パイロットエアスクリューの頭に(貫通しないよう注意しながら)φ2.5の穴をあけ→M3のタップを立て→M3の長いボルト(頭はM8のキャップに付け替え)をねじ込んで→ネジロックで固定、で出来上がりです。
パイロットエアスクリューは真鍮かなんかでできており、ウチの直流TIGでは溶接はできないのでネジロックで固定しました。
「ネジロック剤じゃ振動で抜けるんじゃないの?」というツッコミがありそうですが、一応永久固定用を使いましたし、昨年秋に製作したコレ式のアイドルスクリューも緩み脱落などのトラブルも無く一年近い使用実績がありますから、まぁ問題ないと思います。
 取り付けるとこんな感じになります。もうアレですね「いろいろごちゃごちゃつけました」状態で妙な雰囲気になってます。
ダイヤルはただ丸いと何回転させたか判らなくなってしまうので、締め込み状態でマニホールド正面を向く部分に切れ込みを入れマジックで黒く塗りました。回転角度ぐらいならこの程度で十分判別できるはず。
 シリンダーのフィンとのクリアランスは、107ccエンジンは2回転戻し状態で10mmぐらい。
CL50改に積んだ125ccエンジンはフィンが長いのかマニホールドが短いのか(107ccと125ccのマニホールは共通ではない)1回転戻し状態で5mmぐらいです。パイロットエアスクリューのネジピッチは細目で1mmもないので、最大3回転戻してもクリアランスはまだ3mm以上あります。接触しなきゃ問題ないから大丈夫。
 で、107ccの中華ミニモトにはですね、パイロットジェットは最小サイズの15(標準付属そのまんま)を入れてるんですが、パイロットエアスクリューを最もしめ込んだ状態でエンジンをかけ、そこから徐々に緩めていきましたらですね、2回転ジャストで回転数が上がりました。1回転半では濃かったようです。
でもってエンジンを切り、しばらく放置しエンジンを冷やしてからかけ直してみると、物凄くスカっと始動します。まるで普通のバイクのようにキック一発で簡単始動。んん、やっぱ調整って大事なんですね(当たり前)