汎用性ゼロのアダプター


中華125ccエンジンには中華MIKUNIのVM22+それ用のマニホールドが付属してました。
で現状、それをそのまま使っているんですが、エアクリーナーだけは武川のに変えましたが、改めて見ると、なかなか良く出来ているというか、CD/CL系に合わせたようにきっちり収まってます。

フレーム/サイドカバーとエアクリーナーの間が良い感じに詰っており、エアクリーナーがびょ〜んと横に飛び出しはしないのです。

で、今回PE24を買ったのですが、キャブ本体とエアクリーナーとマニホールドを別々に買うのは面倒、というか素人の悲しさ、キャブのセオリーがイマイチ解っていなかったので、セット物を購入しました。
トータルコーディネートでスムーズな混合気の流れを実現した*1というこれです。
でもですね、このセットはですね、モンキー/ゴリラ用でしてね、ベンリィ系に取り付けようとするとフレームに干渉する恐れがある、ような事がどこかに書いてあったんです。
「左側にサイドカバーが出っ張るベンリィ系はマニホールド左振りセットはダメだから、マニホールド右振りのセットを買ったほうが良いよ」みたいな記述がどっかにあったんですが、右振りのセットを買ったらマフラーとの干渉が心配(CLはアップマフラーだ)されるので、ダメ元で左振りを買った次第です。

警告通り、サイドカバーが邪魔でエアクリーナーが取り付けできません・・・・・
まぁ、エアクリーナー無しで吸気口に茶漉しでも被せるならこのままでもOKなんですけど、そんな爆音仕様じゃどこにも乗っていけません。
時計回りに10度ぐらいずれてくれれば、サイドカバーとエアクリーナーの位置関係ばっちりなんです。が。

ということで、マニホールドの取り付け角度を変更するアダプタを購入しました。
インテークポートがφ26だったので、内径26mmの製品を購入しました。Yahoo!auctionで1,500円ぐらいです。あと送料が500円かかったんだっけ。
ちなみにマニホールドの2次側内径は24mmです。

取り付けてみると、横方向の張り出しが妙に激しい・・・・・
12穴ですから最小でも30度回転してしまいます。理想は10度なので、20度も回り過ぎていると。
これでも足への干渉は無いので機能的には全然大丈夫なんですが、見た目がなんかよろしくなく好ましくないのです。

ということでアダプタを自作しました。
内径はインテークポートに合わせてφ26にしました。
鉄製なのでシルバーの錆止めを吹きました。ただし、混合気に触れる部分は鉄の地むき出しのままです。

サイドカバーとエアクリーナの間の隙間が若干縮まりました。
といっても25度なんで、たった5度しか変化してません。
5度の変化じゃな、ホント「若干」でしかないんで、これでOKとするわけにはいきません。

Ver.2
エンジンと連結するボルト穴と、マニホールドと連結するボルト穴の、縁と縁の間を1mmまで縮めました。
が、これでも角度でいえば19度ぐらいなんだな。まだ大きい。でもこれ単板でやるならこれ以上は縮める余地が無いです。

両穴のピッチをちょっとでも縮めるため、M6キャップボルトの頭を削ってみました。
上のVer.1と下のVer2ではキャップボルトの頭の直径が異なってますが、どっちもM6です。Ver1にはまってるキャップボルトの頭の直径は10mmですが、下のVer.2は頭をφ8まで削ったのです。

マニホールド側がφ24でインテークポート側がφ26だったので、アダプタもそれに合わせました。
マニホールドに接する面はφ24の穴を、インテークポートに接する面はφ26の穴を、中間についた段差はTIG溶接機で均しました。

Ver1は何も考えずに作ったのでアダプタが斜めってますが

Ver2はフィンと平行になるように作りました。
機能面での対策ではなく「その方が見た目良い感じだから」やりました。

キャブをセットすると。
最初に比べたらかなりマシになりましたが、まだ横方向の張り出しが気になる。

ということでVer.3です。
単板式は限界なので2枚式にしました。
出来立てほやほやなのでまだ塗装してません。ハイトゲージでけがいた跡とかばっちり解ります。撮影のあと耐熱塗料をががっと吹きました。

プレートが2枚になったので、間にパッキンというかガスケットを挟まなければなりません。
が、キャブレター用のガスケットはボルト位置が悪いので使用できず、「さてどうしたもんか?」と考えまして、思いついたのが「ユニオン」という配管材のパッキン。リング状の青いのがそうです。
15A(だったと思う)用のユニオンパッキンは外径がφ32で内径がφ25と、なかなかナイスな寸法なんざんす。
上下2枚のプレートにユニオンパッキンがはまる段差を作り、ボルト締めでサンドイッチしてやろうと。
ユニオンはまぁ、灯油の配管にも、重油の配管にも、上水道の配管にも、給湯配管にも、蒸気配管にも使いますので、ガソリン混合気に使っても(パッキンの)材質的には問題ない。と思います。なんぼエンジン中ではガソリンが爆発しているとはいえ、混合気が蒸気より熱くなるとは考え難い。
ちなみに、最初はホーマックに行き1.5mm厚のパッキンを購入しました。確か値段は1枚26円だったはず。で、その後「どうせ通り道だからサンデー(これもホームセンター)も見ていこう」と寄ってみると、若干厚めのパッキンがありました。ただしサンデーのは2枚入って240円ぐらいと、値段が5倍ぐらいします。が5倍といってもたった240円ですから念のために購入。で作業場で測ってみるとサンデーのは厚みが2mmありました。
厚めの方が使い勝手よいので、サンデーの高級パッキンを使用することにしました。

時計回りに10度回転するよう穴位置を設定しました。上下の穴が微妙に重なっているのが解ると思います。
10度というのはセンター/センターで4mmずれる程度なので、M6ボルトを使うと穴位置が重なってしまいます。ので単板では対処できず、2枚式になったのです。
ちなみにこれもVer.2同様、マニホールド側をφ24に、インテークポート側をφ26にしてあります。ついでにユニオンパッキンに接する面はφ25なので、混合気が流れる経路はφ24→φ25→φ26と1mmずつ大きくなっていきます。段差はVer.2同様にTIG溶接で均したので、混合気はそれなりにスムーズに流れるはずです。

キャブを取り付けてみると、んん、ばっちり。

エアクリーナーとサイドカバーの間は、かなりビシッと近接してます。もちろんサイドカバーの開閉には一切問題ありません。

画像一枚にまとめると変化が解り易い。

エアクリ−ナーの外端は、ジェネレーターカバーとほぼ面位置になってます。ま、若干エアクリーナーが飛び出してはいるんですが、気にならん程度です。
アダプタの分(17mm)マニホールドが伸びたようなもんなんですが、レースに出るわけじゃないんで、そこらへんは気にしないことにします。

*1:という謳い文句の製品だが、マニホールドのインテークポート側端面にバリがたっててガッカリしました。そのままにしておくのは嫌なので、スクレーパーでバリは除去しましたけどね。