バイクメンテナンス実習キット その2


問題は左側です。赤い矢印で指し示した部分、そこです。

いわゆる一つのミニモトってのはですね、必ずこの位置にプーリーがついてます。が、オレンジのは私が自分でつけたプーリーでして、元々はですね、ついてなかったのです。
このプーリーはアレです、MTBで使うMRPです。行きつけの自転車屋さんに溝幅の広いのがあったので「あぁ、これだこれだ」と喜んで買ってきました。
で、元々の状態ではプーリーが無く、ついでにチェーンは弛み無くビシっと張っておりました。

シートに座って加重がかかると

リアショックが縮みます。

と、スイングアームのピポットが下がり

前後のスプロケット間隔が広がる=チェーンが引っ張られます。

が、プーリーが無く、尚且つ元々チェーンが弛み無く張られているので、チェーンがつっかえ棒となってサスペンションが機能しなかったのです(笑)
本来サスペンションが吸収するはずの(ライダーによる)加重は、チェーンを引き千切る or チェーンを介して前後のスプロケットを引き千切る方向に働くので、問題に気付かず乗っていると「山の中でチェーンが切れる」とか「山奥でスプロケットが欠け走行不能に」的な目に遭います。


ちなみに、スイングアームのピボット付近にプーリーを取り付けると思われるシャフトが突き出しているのです。プーリー固定用と思われるEリング用溝も切ってあります。MRPのプーリーもそのシャフトにつけました。
設計の段階ではプーリーがつくはずだったんでしょうが、どっかの段階で省略されちゃった、んでしょうね。コストダウンのためなのかな???

所定の場所にプーリーがあればチェーンとカバーの干渉なんぞ起こらないんですが、どういう理由かプーリーを省略してしまったので、チェーンとカバー+カバーを固定するボルトが干渉する→なのでカバーを強引にカット & ボルトが一本無くても関係ない、で問題を解決したらしい。
ペダルが曲がってるとか、ありとあらゆる調整がなされていないとか、クラッチケーブルの長さが合ってないとか(アジャスターの調整幅を超えていたので、カラーを自作して対処)そういうのは「うっかりミス」と言われれば「まぁ、そんなもんかな?」と思うこともできるかもしれません。
プーリーがないだけなら「うっかり取り付け忘れ」かもしれませんが、わざわざ手間をかけてカバーのカットをやってますからね、これは構造を理解しないまま行き当たりばったりで対処したとしか思えません。つーか100%そうだろ。



という凄い作りなのに、不思議なことにこのバイクの取引での悪い評価ってのは全然無い(悪いが91もあるがすべて別の製品)んですよ。こんな杜撰な構造なのに、その杜撰さに気付くような人が(私含め)一人もいなかったんでしょうか? もしくは争っても無駄なのでみんな黙っているんでしょうか。よくわかりません。


この和盛って会社は大陸系らしく(出品企業情報)代表者はトウショウヘイと同じトウさんです。渡来人が大陸製品を輸入販売している、そういうショップらしい。



あ、そうそう、気付く限りの部分に手を加えまくったので、現状はわりと普通に乗ることができます。と書きつつ、耕運機向きのギア比にでもなっているのか異常レベルなローギアード(それでもフロントは16Tに換えた)なので、ギアをトップに入れエンジンぶん回しても30km/h台しか出ませんが(笑) でも、山奥の廃鉱山道路をだらだら上り下りするだけなんで困ってません。