フルキャスト事業停止へ 日雇い派遣の半数、失業も (朝日新聞)

違法派遣で東京労働局から事業停止命令を受けた日雇い派遣大手フルキャスト(東京都渋谷区)は、10日から新規の派遣ができなくなる。事前に契約を終えていた取引先への派遣はできるが、1日約1万2000人の同社の派遣労働者のうち半分近くが仕事を失うとみられる。失業補償が受けられる見込みはなく、労組は「安全網のないまま放置された状態」と訴えている。
フルキャストは労働者派遣法で禁止されている港湾業務に派遣したとして、違法派遣をした神戸市の3事業所は2カ月、残る全事業所(6月末で313カ所)は1カ月の事業停止命令を受けた。
ただ、処分が始まる10日までに適正に契約が結ばれているものは、労働者の仕事を守る必要性もあり、そのまま派遣を続けることができる。同社は3日に事業停止命令の通知を受けた後、取引先との契約を長期化するなどで影響を抑えようとした。それでも半分近い仕事が失われる見込みだ。
新たな仕事の募集がなくなり、日雇い派遣労働者があてにしていた給料をもらえないとしても、補償される仕組みはない。日雇い労働者への失業手当制度(日雇い雇用保険)も、厚生労働省は「現在の日雇い派遣は想定外」として適用していない。学生らが一時的に働く事例も多いとして、保険適用の前提となる「生活を支える仕事」に該当するとは言い切れないとの判断だ。
派遣労働者でつくる派遣ユニオンは「事業停止で仕事からあぶれてしまったら、寝るところや食べるものさえ奪われかねない」と指摘している。
引用元

学生時代の数年、西早稲田に住んでいました。西早稲田から明治通りを越え、諏訪通りを真っ直ぐ行くと、山手線のガードをくぐった真正面に「日雇いの職安」(正式名称は知らん)がありました(廃止になったらしい)。
元々アナキストが関係するルンペン・プロレタリアート(いわゆる"労務者")問題に興味があったので、その職安でどんな業務が行われているのか?とか日雇いのシステムはどうなっているのか?などいろいろ調べたりしました。
日雇いの職安では、労務者が仕事をするたびにシールをくれるんだそうで、そのシールを持っていると仕事のあぶれたとき失業保険をもらえる。とかそういうシステムになってます(「ました」か?) 以下は余談ですが、そのシールがまたチャチイもんらしく(現物は見た事ない)、そこら(ドヤ街)を縄張りにする暴力団が偽造し労務者相手に密売を行ったりもしていたらしい。
ということで、ルンペン・プロレタリアート(いわゆる"労務者")には一応、失業時の生活を保障する保険制度があったんです。ところが、驚くべきことに「日雇い派遣」にはそういう保証制度は一切ないんだそうで・・・・派遣業者から中間搾取は受けるわ、仕事にあぶれても保証は一切ないわ、正直、それじゃドヤ街の労務者より数段待遇悪いですよ。


  今風の"日雇い派遣" 日雇い職安(労務者)
中間搾取 あり なし
失業保険 なし あり
外部支援団体 なし あり


日雇い派遣ってのは、不法就労などで日雇い職安を利用できず、手配師から仕事を斡旋してもらわなきゃならない「最下層労働者」なみの扱いを受けているってことだ。